1971年にリリースされたキャロル・キングのアルバム『つづれおり(タペストリー)』は、ロック・ポップス史に残る名盤として有名です!
この作品は内容が素晴らしいだけでなく、
- 世界で2,000万枚以上のセールスを記録!
- 全米ヒットチャートでは15週1位!
- グラミー賞4部門受賞!
などセールス面や評価面でも、すばらしい記録を残しています。
そこで今回は、キャロル・キングの名盤『つづれおり(タペストリー)』 について、
- 大ヒットした理由は?
- 作品が作られるまでの経緯
- 作品の内容について
この3点を中心に詳しく見ていこうと思います!
併せて、『つづれおり』以外のおすすめアルバムも紹介しますので、ぜひチェックしてみてくださいね。
目次(コンテンツ)
キャロル・キングの名盤『つづれおり(タペストリー)』は、なぜ大ヒットしたの?
まずは、キャロル・キングの名盤『つづれおり』が、世界的な大ヒットになった理由から見ていきましょう!
人々の心の癒しになった『つづれおり』
『つづれおり』が大ヒットした理由は、「音楽的に素晴らしいから」というのはもちろんですが、それだけではないんです。
このアルバムが発売された1971年当時、アメリカはベトナム戦争の真っ只中。
「いったいこの戦争はいつ終わるのか…」と人々の心は疲れきっていました。
そんな中で『つづれおり』の持つ
- おだやかで美しいメロディ
- 人間の感情の機微を表現した歌詞
- 素朴で胸を打つ歌声
という要素が、アメリカ国民の「心のいやし」として広く受け入れられたのです。
名盤『つづれおり(タペストリー)』が作られるまで
キャロル・キングにとって『つづれおり(タペストリー)』はソロ2枚目のアルバム。
これだけ聞くと「デビュー後、わりと早くブレイクしたんだな」と思われるかもしれませんが、実はそうではないんです。
キャロル・キングは職業作曲家だった
キャロルのキャリアのスタートは職業作曲家。
作曲家時代は、夫であり作詞家のジェリー・ゴフィンとソングライティング・チームを結成し、
- ロコ・モーション
- ウィル・ユー・ラヴ・ミー・トゥモロウ
- ワン・ファイン・デイ
など20曲以上の全米ヒット曲を生み出しました!
自ら歌うことを目指すように
たくさんのヒット曲を作ったものの、これはあくまで作曲家としての評価。
元々、自分で歌って表現することを目指していたキャロルは、夫ジェリーとの離婚を機に、シンガーソングライターとして活動していくことを決意します。
バンド『ザ・シティ』を結成
その後、キャロルは
- ダニー・コーチマー(ギター)
- チャールズ・ラーキー(ベース)
と3人でザ・シティというバンドを結成。
このバンドが、自ら演奏して歌う表現者としての活動の始まりとなりました。
ちなみにベーシストのチャールズはキャロルの2番目の夫でもあるんですよ。
ザ・シティは1968年に『夢語り』というアルバムを1枚だけ残しています。
このアルバムが最高の仕上がり!なので、ぜひ『つづれおり』と併せて聴いてみてくださいね!
名盤『つづれおり』をリリース!
ザ・シティとしての活動の後、キャロルはソロ・デビュー作となる『ライター』を1970年にリリース。
名曲『アップ・オン・ザ・ルーフ』などを含む秀作となりました。
そして1971年、ソロ・セカンドアルバムとして名盤『つづれおり』がリリースされることになります!
キャロル・キングの名盤『つづれおり(タペストリー)』の内容について
収録曲はすべてオリジナル作品
『つづれおり』はカヴァー曲を含まない全曲オリジナルの作品。
一部の曲で作詞を共作している以外は、すべてキャロル自身によって作られています。
バックを務める演奏陣は、
- チャールズ・ラーキー
- ダニー・コーチマー
- ラス・カンケル
- ジェイムス・テイラー
- ジョニ・ミッチェル
など、当時のシンガーソングライター・ブームの立役者が一同にそろっています!
腕利きぞろいですが、音楽のメインはあくまでキャロルの歌とピアノというのが伝わってくるような名演奏になっています。
『つづれおり』の音楽や歌詞の特徴は?
憂いを帯びたメロディと素朴な歌声
音楽的には、ブラックミュージックの影響が強く、わかりやすいメロディを持ちながら、どこか影や憂いを感じるのが印象的です。
それらの要素が、素朴なヴォーカル、温もりのあるサウンドと合わさることで、とても複雑な味わいのある音楽になっています。
歌詞は、疲れた人々の心を癒やす内容
歌詞の内容は、ベトナム戦争に直接触れているわけではありませんが、疲れた人々の心を癒やす要素がありました。
それが意図的であったかはわかりませんが、結果的に時代の空気を見事にとらえたんですね。
名曲!きみの友だち(You've got a friend)
アルバム収録曲はどれも名曲ですが、収録曲の中でもとりわけ有名な『君の友達』をご紹介します!
音楽に詳しくない人でも一度は耳にしたことがある曲ですよね。
歌詞は、落ち込んでいる友人に「いつでも呼んで、あなたには私がいるよ」と伝える内容です。
ジェイムス・テイラーのカヴァー・バージョンも有名
この曲は盟友ジェイムス・テイラーがカヴァーして全米ナンバーワンヒットになっています。
自分の声に自信を持てずにいたキャロルに対して、ジェイムスが「歌ってみなよ」と励ました、という有名なエピソードがあります。
この励ましの一言がなければ、シンガーソングライターとしてのキャロル・キングは存在しなかったのかもしれませんよ。
他の収録曲については、以下の記事でも触れていますので、よろしければご覧ください。
『つづれおり』以外のおすすめアルバムを紹介!
ソロデビュー前の名作! シティ『夢語り』
すでに上の文章で触れましたが、キャロル・キングがソロ・デビュー直前に組んでいたバンド、ザ・シティの『夢語り』というアルバムは本当に最高の仕上がり!
『つづれおり』が好きな方なら間違いない作品ですので、ぜひチェックしてみてくださいね。
ソウルミュージックの影響が強い『ファンタジー』
1973年リリースの『ファンタジー』は、他の作品よりもブラックミュージックの影響が強いのが特徴!
この後に流行する「AOR」の先駆けと言っても良い作風で、洗練された曲調とグルーヴィな演奏が楽しめる傑作です!
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さいごに キャロル・キングの名盤『つづれおり(タペストリー)』について
2016年、ロンドンのハイドパークで「つづれおり 全曲再現ライブ」が開催され、大変な盛り上がりとなりました。
発売から50年近く経っても、こうした企画が成立する辺り『つづれおり』の影響力、浸透力の大きさを感じますよね。
まさに永遠のマスターピース!という呼び名がふさわしいこの作品をこれからも聴き続けていきましょう!
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