2018年9月21日、プリンスの未発表音源集『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』が発売されました。
そこで今回は、
- 『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』の基本情報
- 『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』を聴いた感想
この2点について書いていこうと思います。
目次(コンテンツ)
アルバムの基本情報について:プリンス『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』
今作の基本情報ですが、ポイントはこの3つ!
- 1983年、自宅スタジオで収録
- ピアノ弾き語りの未発表トラック
- 存命なら60回目の誕生日にリリース発表
未発表トラックですが、発売が前提で録音されたものではないですよね。
もしプリンスが存命なら、絶対リリースされなかったはずなので、そう考えると少し複雑ですが…。
でも音楽ファンとしては「聴いてみたい!」というのもまた本音。
という事で、さっそく『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』を聴いてみました!
アルバムを聴いた感想:Prince『PIANO & A MICROPHONE 1983』
今作を聴いた感想ですが、
「プリンスが目の前で演奏している!」
と錯覚するほど、生々しい迫力が感じられる文句なしの傑作だと思いました。
プリンスの一般的なイメージとのギャップがすごい!
プリンスの代表作と言えば、80年代の作品群を思い出す方が多いと思います。
- 『パープル・レイン』
- 『パレード』
- 『サイン・オブ・ザ・タイムズ』
などなど。まだ他にもありますけどね。
で、この時期のアルバムは、
- シンセサイザー
- 打ち込みドラム
などデジタル系の音の印象が強いです。
一方、今作『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』は歌とピアノのみで演奏されます。
つまり、プリンスに対する一般的なイメージ(デジタル・ファンク)と比べると、サウンド面だけを見れば正反対と言っても過言ではありません。
なので、最初に聴いたときは従来のプリンスのイメージとのギャップにとても驚きました。
ミュージシャンとしての基礎体力を実感!
ギャップと言っても、簡素なアレンジになることで、
ミュージシャンとしての線の細さが露呈する
といったマイナス面のギャップだったらガッカリですよね。
ところがプリンスの場合は、その逆で、シンプルな演奏だからこそ
- ミュージシャンとしての基礎体力
- 線の太さ
を今まで以上に実感できるポジティブなギャップでした。
もちろん、デジタル音を多用した80年代の代表作でも、そうした地力は感じられました。
ですが今作では、なお一層、それもより生々しくリアルな形でそれを実感できますよ!
『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』収録曲を紹介!
今作の中でとくに印象に残った曲をいくつかご紹介しますね。
1曲目:17デイズ
激しいピアノのイントロが続いた後、プリンスが歌いだす瞬間…! ゾクッとしますね。
4曲目:メアリー・ドント・ユー・ウィープ
このプリンスの魂の叫びのようなヴォーカル!
簡素なサウンドだからこそ、余計に素晴らしさが引き立っています。
ちなみにこの曲は「19世紀の霊歌」だそうです。
霊歌とは何か? wikipediaから引用すると
アメリカの黒人奴隷にキリスト教が広まり、
白人の宗教歌とアフリカ独特の音楽的感性が融合して生まれた歌謡・黒人霊歌を指す場合が多い。
黒人霊歌に明確な音楽的特徴はなく、漠然と「黒人が関与した宗教的な歌」を指している。
6曲目:インターナショナル・ラヴァー
ファルセットで繊細に歌われる1曲。
ピアノの強弱、間の取り方が素晴らしいですよね。
8曲目:コールド・コーヒー&コケイン
切迫感を感じる早いテンポのピアノと、ノドを締めたような独特の声色のヴォーカル。
曲の終盤、たまっていた感情が爆発したかのようなシャウトにしびれます…。
9曲目:ホワイ・ザ・バタフライズ
シンプルなフレーズを淡々と刻むピアノと、祈り(?)のようなヴォーカルが印象的。
これは何と表現すれば良いのか難しいので、ぜひ一度、聴いてみてください。
あとがき:プリンス『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』
しかしピアノと歌だけでこれだけ聴かせるとは…。
プリンスのことは昔から知っていますが、今作を聴いたことで改めて「天才だ…!」と思いましたね。
今作を「どうせ生誕60年に便乗した企画盤でしょ?」とスルーしてしまうのは本当に惜しいです。
本当に聴く価値のあるアルバムなので、だまされたと思って試聴だけでもした方が良いですよ!
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